定年退職してから、意識してウォーキングを楽しんでいる。近くに大きな公園が出来、そこへ毎日１時間余の散歩をしているの

である。

　季節ごとにちがった鳥の声がきこえ、花が咲き、散歩するいろんな人と仲良くなり、健康保持と気分転換に最適である。

　毎日絵を描きに通っている人がいる。

　暴風警報が出ていても、来て絵をかいていたという筋金入りの男である。

　そんな彼には、鳥や花の情報が集まる。

　話してみると、意外にも私宅の裏の元大阪府立の工業高校の先生だった人だった。

　夫婦２人で散歩して、鳥を専門にビデオを撮って、パソコンにアップしている人もいる。

　車いすの人も、脳梗塞のリハビリの人も歩いている。

　近所の人と、ハイキングに月に一度行っている。

　リーダーが研究熱心でいろんな所へ行ってきた。

　耳成山・天香久山、山の辺の道、佛隆寺、葛城の道、鳥見山公園、飯盛山、今月は高野山の長石道、また一泊で丸山千枚

田と玉置山、竹田城跡、賤ヶ岳・余呉湖なども。

　更に、毎年９月には清友の同僚だった先生方と登山をしてきた。

　石鎚山、大山、御在所岳、立山に挑戦した。

　自力ではとても怖くて無理であるが、ベテランにリードしてもらうと可能だった。

　最後の鎖場に木道の迂回コースがある(石鎚山)、足が痛くなり帰りは一人だけロープウェイで降りてきた(御在所岳)など配慮

あるコースを選んでくれたおかげである。

　散歩コースの階段を何往復もしたり、近くの二上山へ登って準備をしたりした。

　おかげで何とか皆さんに迷惑をかけずに済んだ。

　６０歳を過ぎると体のどこかにガタが出てくる。

　私も定年後すぐ、「進行性の難病」と診断され滅入ったことがあった。

　幸い今のところ、薬が効いている間は普通と変わらない生活を過ごせている。(もっとも、薬の副作用で車の自損事故を起こ

し、それから車の運転をあきらめ、免許も更新しなかった。)

　ウォーキング、ハイキング、登山はそんな私の健康法なのである。

　友人に支えられ、鳥や花や自然と人との新しいふれあいの中で、楽しんでいる。

（1967年より26年間勤務)